「腑に落ちないことはその場で言うようにしています」“自分の機嫌は自分でとる”ために心がけていること
――今年9月には初のエッセイ『自分の機嫌は自分でとる』を上梓しました。本のタイトルにもなっていますが、かおりさんはどうやって自分の機嫌を取っているのでしょうか。
かおり まず、何か腑に落ちないことに直面したら、その場で言うようにしています。自分のモヤモヤが解消されるかどうかは、正直相手次第です。
でも、「不満解消のためのアクションを、自分からしたかどうか」が、その後の“自分の機嫌”には大きく関わってくると思うんですよね。
結果的に不満は解消されなくても、「自分にできることをやらなかった」のと「やれることをやった」のとでは、心のあり方が全然違うはず。
――なるほど。それでも、相手のリアクションを気にして言いたいことを言えない、という人も多いと思います。
かおり むしろ、気になることはちゃんと伝えたほうが、相手との関係性も良くなると私は思うんですよね。良いことも悪いことも、話し合えば話し合うほど、信頼関係って深まっていくじゃないですか。
「思ったことはすぐ口に出てしまうようになった」なぜ自分の気持ちを言語化できるようになったのか
――そうは言っても、実践するのは難しそうです。
かおり 私も、最初からすぐに動けたわけではないです。伝えたいことがあっても、うまく言葉にできなくて、余計に関係をこじらせたり、相手に丸め込まれてしまったこともあります。そのたびに、「やっぱ言わなきゃよかった」って思うんですよね。
それでも、「自分が何に不満を持っているのか」「相手にどうしてほしいのか」という自分の気持ちと向き合い続けていたら、少しずつですけど言語化できるようになってきて。今では、思ったことはすぐ口に出てしまうようになりました(笑)。結局何事も、場数と反復練習が大事ですね。
――最後に、著書に込めた思いを教えてください。
かおり いろいろと強気なことを言ってきましたけど、私はこれまでたくさんやらかしながら生きてきたから、振り返るのは正直心が痛かったし、人に話せるほど振り切れてない部分もあります。
でも、さっきも言ったように過去を後悔するような生き方はしたくないから、自分の過去と向き合って乗り越えなきゃいけないな、と思って本を書きました。だからこの本は、私にとってのリハビリなんです。
本当は毒舌キャラとして、自分の過去についても舌鋒鋭く伝えるべきなんでしょうけど。それができない弱い私もいるってことを、本を通してささやいている感じですね。
撮影=三宅史郎/文藝春秋
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