今年9月に自身初のエッセイ『自分の機嫌は自分でとる』(KADOKAWA)を上梓した東堂かおりさん(34)。外資系の大手企業で働きながら、チャンネル登録者数18万人超のYouTubeチャンネル「OL毒女ちゃん」を運営し、会社経営者としても活躍。現在の年収は4000万円を超えるという。

 世間が羨む“エリート街道”を歩んでいるように見えるかおりさんだが、実は大学卒業後にニートを経験し、その後、手取り12万円のブラックな職場で働いた過去も持つ。そんな彼女が、いかにして外資系の大手企業で働き、高年収を得るようになったのか。かおりさんに話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く

東堂かおりさん ©三宅史郎/文藝春秋

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物心ついた頃から「大企業に入らなきゃ」と思っていたワケ

――かおりさんは現在、外資系の大手企業で営業の仕事をされているのですよね。

東堂かおりさん(以下、かおり) はい。今の会社は転職を繰り返して5社目に入ったところです。それまでは小さい会社を転々としていました。ただ、ずっと「大企業に入らなきゃ」という、焦りみたいな気持ちはあったんです。

――なぜ、「大企業に入らなきゃ」と思っていたのでしょうか?

かおり 物心ついた頃から、母に「誰もが知っているような、大企業に就職しなきゃダメ!」と言われて育ってきたんです。子どもの頃って、母親からの言葉が絶対じゃないですか。それで、「私は大企業に入るんだ、というか入らなきゃダメなんだ」と思っていました。

「50社以上応募して、全敗でした」大企業就職を目指すも就活に失敗

――お母さんは、なぜ大企業にこだわっていたのでしょう。

かおり 父が、いわゆる大企業に勤めていた人で。どこまで本気なのか分かりませんが、母はよく「お父さんと結婚したのは、いい会社に勤めていたからよ」と言っていました。仕事内容は詳しくは知らないけれど、技術職で役職もそれなりに上の方だったと聞いています。

――それで、お母さんはかおりさんにも大企業を勧めたのですね。

かおり 幼少期から刷り込まれた価値観は、なかなか崩れるものではないから、就職活動のときは学生に人気の大企業ばかり受けていましたね。

 でも、就職活動に強い大学に通っていたわけでもないし、勉強もそこそこにキャバクラのバイトばっかりしていた私が受かるわけがなくて。50社以上応募して、全敗でした。