「給料だけじゃなくて職場環境も改善されるのかな」大企業への転職を目指すようになった“きっかけ”

――その考えが変わったのは、いつからでしょう?

かおり ある時、一緒にカラオケに行った大企業勤務の男性が、ポッキーを注文したんですよ。それを見て、「スーパーで買うより何倍も高いのに、こんなに気軽に買えるのか」「私と彼では、こんなに金銭感覚が違うのか」とびっくりしたんです。

 それと同時に、気にせずお金を使える彼が羨ましくて、恨めしかった(笑)。「私はお金を持ってないのになんであいつは持てるんだ」「あいつが恨めしい、あんなやつに負けたくない」って。

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 もっと言うと、本当は大企業で働く彼のことを尊敬していたんだと思います。でも、今の私だとそれが叶わないから、逆恨みしていただけだったんだなって。

 それに気づいた時に、自分で稼げるようになりたい、だからやっぱり大企業に行きたい、と思うようになりました。

――当時の職場で稼げるようになるのは難しかった?

かおり そうですね。当時は最低賃金レベルで働いて日々の生活にも困っているくらいだったし、職場環境も良くなくて。理不尽で意味不明なルールがたくさんあるし、「若手だから」と言って誰もやりたがらない仕事を押し付けられる。

 それもあって、「大企業に行けば、給料だけじゃなくて職場環境も改善されるのかな」という期待もありました。

 

「私も営業になれば、自分の力で稼げるようになるのかも」と思い、地元の小さな会社に転職

――結局、美容部員は約10か月で辞めるのですよね。それからは、どんなお仕事に就いたのでしょうか。

かおり 営業として、求人広告制作の会社や、社内報を作る会社なんかを転々としていました。

――なぜ営業を?

かおり ナンパ待ちをしていた頃、羽振りの良い方々に「何の仕事してるの?」と聞いたら、営業職の人が多かったんですよ。当時は営業って何をするのか全然分かっていなかったのですが、「私も営業になれば、自分の力で稼げるようになるのかも」と思って。

 本当は大企業に入りたかったけど、営業未経験では難しかったので、地元の小さな会社からスタートしました。