「もうガラッと駅頭で空気が変わって、急にビラも受け取ってもらえなくなった」。2025年10月に内閣総理大臣に就任した高市早苗氏は、就任前の2025年1月に公開された文藝春秋PLUSの番組で、自民党が置かれた厳しい状況への危機感をそう述べていた。

 総裁選で石破茂氏に敗れ、前経済安全保障担当大臣として党の再建を見守る立場にあった高市氏。番組で語っていた党の課題と展望を振り返る。(全2回の1回目/続きを読む

【高市早苗が激白“2025年の自民党“】「同じ選挙をもう一度やったら自民党は終わる」|石破総理は「やりたいことをやれば…」|103万円の壁 撤廃議論は「国民民主党に感謝」|“石丸新党“はどう見ている?

(初出:「文藝春秋PLUS」2025年1月1日配信)

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「この内閣は何を売りにするんだと」

 石破内閣の初期対応について、高市氏は「選挙の前は混乱していたように見受けられます」と語った。特に2024年10月に行われた解散総選挙のタイミングは想定外だったという。

「あんなに早く解散総選挙を打たれると私も思っていなかった。新しい内閣ですから、予算委員会での集中審議などを通じて政策を打ち出し、質疑を受けてからの解散かなと思ってました」

高市早苗氏

 準備不足のまま選挙戦に突入したことで、党として何を争点にすべきか見えなかった、と自身の意見を述べた。

「新しい内閣ができて、この内閣は何を売りにするんだと。私たちは選挙で何を新しい自民党の政策として重点的に訴えたらいいのか、わからなかったんです」