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人生を変えた「夫との離婚」
僕は久美さんがいつもは風呂場で客の体を洗ってあげていると聞いて、こんなふうに思っていた。街娼はソープやピンサロ、出会いカフェやパパ活アプリでの売春に至るまで、数多の風俗を経験した女性が最後に行き着くとされている商売だ。
いまや高齢者を雇ってくれるデリヘルも少なくない。だから風俗経験は豊富でも、路上歴は浅い。おそらくや近年、コロナの影響で風俗からあぶれた果てに──。
しかし久美さんが話した自分の半生は、僕の想像をはるかに超えるものだった。
大阪生まれ大阪育ち。地元の高校を卒業し、20歳で結婚して一女に恵まれた久美さんはそれまで、風俗とは無縁の人生を送ってきた。
ところが夫のギャンブル狂いと浮気を理由に24歳で離婚すると、女手一つで娘を育てるため若専の箱型ファッションヘルスで働くことを余儀なくされた。