「強硬な保守派」「すべての女性が喜んでいるわけではない」
同じく10月21日付の就任記事でCNNは「強硬な保守派(Hardliner Conservative)の高市早苗が日本初の女性首相に選ばれた」と報じた。これに対し、米国の「強硬な保守派」であり、前回の大統領選にも出馬したフロリダ州知事のロン・デサンティス氏は、「CNNは日本の新首相を『強硬な保守派』と呼んでいます。これは左派の読者に対して彼女が『嫌なやつ』だと示唆するフレーズです。私の考えでは、CNNの非難は彼女がかなり優秀であることを意味します。高市首相、頑張ってください!」とコメントした。
だが、高市首相が強硬な保守派であることは事実と捉えられており、AP通信は高市を「超保守派(ultraconservative)」、ロイターは「極右路線転換(hard-right turn)」と紹介した。保守系メディアのFOXニュースは自社による指摘を避けながらも、「日本や海外のメディアからは超保守派で強硬な人物と評されている」「中国に対する強硬な姿勢で知られる」と紹介した。
また、NBCは「日本初の女性首相が誕生したが、すべての女性が喜んでいるわけではない」、NPRも「性別役割について伝統的な見解を持つ保守派」と、高市首相のジェンダー観を就任記事の冒頭に置いた。
トランプ支持者から高評価も
日本ではトランプとの会談の際の高市首相の立ち居振る舞いが大きな話題となったが、先述したようにアメリカでは高市首相自身の認知度がまだ高くないこともあり、それほどの話題とはならなかった。CNNは2人が壇上で手をつないでいる写真を使ったが、「世界の指導者というよりは、まるで旧友のよう」「笑顔、背中を叩き合う、抱擁」といった程度の報じ方だった。
ただし、トランプ大統領の動向を逐一ウォッチしているMAGAインフルエンサーの中には熱烈に歓迎する向きもあった。Xのフォロワー138万人の「MAGA Voice」は「日本の高市早苗首相は、トランプ大統領と文字通り飛び跳ねて喜んでいる。この首相、本当に大好きだ。日本の国民は本当に恵まれている」と投稿。
トランプ大統領は高市首相の仕草についてのコメントは特に発していない。だが、かつて口を大きく開けておおらかに笑うカマラ・ハリス元副大統領に対しては「あれはクレイジーな人間の笑いだ」「狂人の笑いだ」などと中傷を行っていた。
では、高市首相が推薦した「トランプ大統領のノーベル平和賞」はアメリカでどうみられているのか。(つづく)


