ホームに降り立てばからあげのかほり…ではなく?
ホームに降り立てば、さっそくどこからか漂う香ばしいからあげのかほり……と期待していたのに、まったくそんな気配はなかった。
それどころか、ホームには「日本一長いハモの椅子」などというものがあって、「中津名物ハモ料理」などと書かれている。あれれ。
いやいや、ホームの時点でからあげを期待するのは気が早すぎた。高架下の改札を抜ければきっと。
ところが、改札の向こうで待ち構えていたのはからあげでもハモでもなくて、あの人でした。
かの慶應義塾大学の創設者、福澤諭吉先生である。
中津は福澤諭吉の出身地だとかで、北口の広場の真ん中にはとてつもなく大きな諭吉先生像が建ち聳え、駅舎の壁には『学問のすゝめ』の有名なあの一節(「人の上に人を造らず~」というあれ)。
駅舎の中には「壱万円札の肖像が交代しても福澤諭吉先生の偉業は永久に不滅です」などと大書されたパネルが展示されている。この文言、巨人ファン、長嶋ファンが考えたのだろうか。
ともかく、中津駅はからあげどころか福澤諭吉先生だらけなのだ。
中津市では、壱万円札の肖像交代を機に諭吉先生の業績を改めて後世に伝える「不滅の福澤プロジェクト」なるものを展開しているらしい。
そういえば確かに、肖像交代時には去りゆく諭吉先生よりも新たに登場した渋沢栄一ばかりにスポットが当たったような。
もちろんみんな、長年お世話になった(というかいまもだいぶお世話になっている)諭吉先生のこと、忘れてはいませんよ。
そんなこんなの中津駅。諭吉先生が見下ろす北口広場の脇には、アーケード商店街の入口がある。
線路と並行、西に向かって伸びていて、日ノ出町商店街という。




