料金は500~1000円で非常に安く、体への負担もない
検査の仕方は、2日にわけてスティックで適量の便を採取し、クリニックに提出するだけ。極めて簡単です。しかも、料金は500~1000円と非常に安い。もちろん体への負担もありません。
安くて簡単なわりに意外と精度も高い。
アメリカのミネソタ大学が約4万6000人を対象に行った研究を分析した論文によると大腸がんの「真の早期発見」にいたる確率は1.9~3.8%と高く、治療の必要がない病変を見つけてしまう過剰診断の確率も0.16~0.3%と低いのです。
便潜血検査は年1回ほどのペースで受けることをオススメしたいのですが、いくつか注意点があります。
ありがちなのが、「便潜血検査で『陽性』になったけど、再検査をしてほしい」という患者さんからの相談です。例えば、50代の患者さんで「痔があるから」という理由で、再検査を希望して私の病院に来られた方がいました。あるいは、70代の患者さんで「大便に血が混ざっているのは普通のこと」と考えている方もいました。
しかし、私はいずれの患者さんにもこう言いました。
「たとえどのような事情があったにせよ、便潜血検査で1回でも『陽性』が出たのであれば、大腸内視鏡検査を受けた方がいい」
そもそも便から血が検出された時点で異常です。前述の通り、過剰診断の確率は0.3%以下で精度も高いので、検査結果を「甘く見る」理由が何もないのです。
「採便するときに生理だった」という女性の方もいます。
この場合は、たしかに再検査の適応に当たりますが、生理中の検査は偽陽性が生じやすいので、できれば避けるようにしてください。
