葬儀業界は倒産や休廃業が過去最多
――ヘビメタができる葬儀場というのは、一見すると尖った取り組みに映ります。社員の方々にはどう伝えているのでしょうか?
関根 実際、すごく尖った葬儀会社に見えるでしょうし、周りからもそう言われることが多いです。だからこそ、社内では「葬儀会社としての基礎をしっかりしよう」と話しています。
――東京商工リサーチによると、2024年に葬儀業界の倒産や休廃業・解散は合計74件と、2013年以降で最多でした。競争も激化していますね。
関根 一族、家族の葬儀ではなく個人にフォーカスしたものが増えて、式の規模が縮小していることで費用を抑える動きが広がっています。その分、たしかに倒産件数は増えました。
しかし、当社はもともと公営斎場を利用した安価でも満足できる葬儀がルーツにありますし、10年ほど前に自前のホールを作った時には、まだ主流ではなかった「家族葬」を看板に掲げました。そこから今回のヘビメタのライブができる葬儀場にしたように、時代に合わせて変化していますから、不安はありません。
――関根さんが目指す理想の葬儀会社像とは、どんなものですか。
関根 「執事」のような存在が理想です。「準備はできてるか?」と聞かれたら「終わっております」と答えられて、気まぐれで「やはり不要」と言われたら、やらない。
とにかく準備を何重にもしておいて、「これどうしたらいい?」と言われたら「用意しています」、「お返し物が足りない」とお困りの時には「大丈夫です。手配しています」と返せるように、かゆいところに手が届く存在でありたいですね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
