首都高に問い合わせてみると…
あくまでも計画段階ではあるが、羽田可動橋は、将来3車線の常設橋に生まれ変わるというのだから驚きだ。しかし、大型船舶の航行を妨げず、かつ飛行場の近くであるため建築制限があるという複雑な事情により可動橋として造られた経緯があるのに、常設橋にしてしまって大丈夫なのだろうか。
首都高速道路株式会社に問い合わせてみたところ、上流にあった造船所がなくなり大型船舶が航行しなくなったことと、羽田空港の滑走路が沖合に移転し制限が緩和されたことにより、可動橋である必要がなくなったという。なるほど、聞けば納得するしかない理由だ。羽田可動橋が供用されてから35年の間に世の中が変化し、可動橋を必要としなくなっていたのだ。
まだ計画段階であるため、羽田可動橋とその周辺が今後どのように変化するのかはっきりとは分からない。分からないからこそワクワクするし、見守り続けたいと思う。
そして、現在の異様すぎる光景は、数年以内に見納めとなる可能性が高い。今のうちに見ておかないと、後悔することになるかもしれない。
ちなみに、羽田可動橋を眺めるのであれば、羽田空港対岸の森ケ崎公園側へバス等でアクセスするのが圧倒的に早くて便利だ。羽田空港から歩くと対岸に渡るための橋がなく、大幅に迂回しないといけない。
筆者は森ケ崎公園側から見た後、羽田空港側からも見ておきたいと思い50分ほど歩いたが、空港側は立ち入り禁止区域になっており、可動橋に近づくことさえできなかった。
今回、不思議な橋を見たことをきっかけに羽田可動橋のことを調べてみて、高速道路の安全性・利便性を高めるため、わずか数十年の間に橋を新たに架けたり、使わなくなったり、造り直したりと、日々変遷していることを知った。こうした努力があってこそ、私たちが安全に通行できているのかと思うと、頭が下がる思いだ。明日からは感謝しながら高速道路を走ろうと思う。
撮影=鹿取茂雄
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