以前から存在は知っていたが、実際に見た時は、とても驚いた。東京都心から近い羽田空港の西を流れる海老取川の河口近くに、“それ”はある。
東京都大田区の森ケ崎バス停から、干潟沿いの遊歩道を海老取川に向かって歩く。
並行して高速道路の高架橋が伸びているが、どういうわけか車が走っている気配が全くしない。
高架橋の向こうには、モノレールが走っているのが見える。
海老取川が近くなると、対岸に羽田空港も見えてきた。すると、いきなり異様な光景が目に飛び込んでくる。
都内にこんな光景があったとは…
並行して歩いていた高速道路の高架橋が、川の手前で途切れているのだ。
その先には、ぶつ切れになった橋が、途切れ途切れになって川の上に建っている。しかも途切れた橋は、川と並行するように、おかしな方向を向いているのだ。
橋は川の両岸を結ぶためのもので、当然であるが、繋がっていなければ何の役にも立たない。それなのに、眼の前には繋がっていない途切れた橋がある。これまでに見たことがない異様な姿に、思わず立ち尽くして見とれていた。
これまで羽田空港の近くは何度も通っているが、都内にこんな光景があったとは……。驚くしかなかった。





