塚原たえさんは9歳の頃から実の父親による性的・身体的虐待を受けていた。同じく虐待を受けていた弟は29歳で自ら命を絶った。2023年、塚原さんは「文藝春秋 電子版」でその壮絶な体験を実名で告発。記事は2日間で1000万PVを超えるなど大きな反響を呼んだ。現在は一般社団法人「PCASA JAPAN 子どもの未来を守る会」を設立し、被害者が声を上げやすい社会を目指して活動している。(全2回の1回目/続きを読む)
【性被害当事者が語る“告発で変わったこと”】インタビュー出演で思わぬ展開|YouTubeチャンネル開設、講演会、「子供が助けを求めやすい環境づくりを」|「“応援”より何ができるかを皆にも考えてほしい」
「親指を中に入れて何回か握る仕草」
「子どもの性虐待や虐待、あと老若男女を問わない性被害にあっている方たちに対しての啓発活動を行っています」
塚原さんが特に力を入れているのが、3歳からの性教育の普及と、ハンドサインの周知活動だ。
「危険な目に遭っている子どもたちや、助けてほしいと思っている子どもたちが親指を中に入れて、何回か握る仕草をする。これをハンドサインといって、『助けて』という意味なんです」
このサインを見た場合は、「どなたでも構わないので、警察に通報するなど、加害者から子どもを引き離してあげることをしていただきたい」と塚原さんは呼びかける。

