駅から出て歩いてみる

 そんな博多南駅。ホームは築堤の上、つまり一段高いところにあり、改札を抜けて階段を降りると線路と並行に走る通りに出る。車両基地の西の外周に沿っている2車線の通りだ。

 

 そのすぐ真上には、九州新幹線の高架が通る。博多南駅で降りたお客は、この高架をくぐって駅前の通りに出るという按配だ。

 

 九州新幹線の開業は2011年だから、博多南駅の開業時点ではまだなかった高架である。

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 この高架の下を通る、クルマ通りもそこそこの通りがこの町のメインストリートなのだろうか。

 

 その問いの答えが否であることは、すぐにわかる。通りを挟んだ向かいに、「博多南駅前ビル」という公共複合ビルが建っている。文字通りの駅前ビルで、博多南駅からもデッキで直結していて、事実上の駅ビルといっていい。

 この駅ビルは2階部分がペデストリアンデッキのようになっていて、その下にはバスロータリーが設けられている。それを取り囲んでいるのは金融機関やドラッグストア、飲食店。“博多南駅前”の役割は、このビルが担っているのだ。

 

 駅ビルのデッキに立って、周囲を見渡す。マンションの類いが目立つ町並みだ。

 ところどころに空き地があって駐車場になっているのは、少し離れたところからクルマで駅までやってきて博多南線を使う人がいるからだ。

 

 見れば、真新しくも大きなマンションなども広範囲に点在している。通勤には新幹線、という世にも珍しい点を除けば、この町は博多郊外のベッドタウンなのだ。

 さらに駅の周りを歩こう。