人はみな、なんだかんだで新幹線が大好きだ。
よほど頻繁に乗っている人でもなければ、新幹線のホームに上がっただけで胸が高鳴る。駅弁かコーヒーか、それとも例のアイスか。持ち込むものを見繕っている時間もまた楽しい。
いざ乗り込んでみると、トンネルは多いし結局眠ってしまったりして、案外車窓を楽しむことはなかったり。だが、それとても悪くないものだ。
駅弁を食べてほんのひと眠りしているうちに、遠く離れた目的地まで連れていってくれるのだから、新幹線ほどありがたい乗り物は他にない。鉄道ファンならずとも、子どもでなくても大人でも。人はみな、新幹線が大好きなのだ。
そんなわけで、新幹線をもっと間近で楽しみたいというキッズや愛好者たちのため、毎年あちこちで新幹線と直接ふれあうイベントが行われている。さしずめ“会いに行ける新幹線”といったところだろうか。
具体的にいえば、新幹線の車両基地公開イベントである。
そのひとつが、博多総合車両所の「新幹線ふれあいデー」だ。
さまざまなタイプの新幹線が集結
博多総合車両所は、福岡県内にある山陽新幹線の車両基地だ。山陽新幹線が博多まで開業する前年の1974年に設けられた。山陽新幹線を走るありとあらゆる新幹線車両が夜を過ごし、またメンテナンスなどを施される車両基地である。
山陽新幹線には、東海道新幹線と直通する16両編成のN700系やN700S系、また山陽新幹線内だけを走る500系に700系と、さまざまなタイプの車両が走っている。さらに、JR東海ではもう引退してしまったドクターイエロー、ONE PIECE新幹線・ハローキティ新幹線といったラッピング車両もある。
それらが一堂に会するのが博多総合車両所、というわけだ。新幹線の車両基地は全国各地にあるけれど、これほど多種多様な新幹線を見ることができるのは博多だけ——。そんな博多総合車両所の公開イベント「ふれあいデー」が、今年も10月12日日曜日に行われた。
車両基地の中には何がある?
普段は通勤客が大半の博多南線の列車は親子連れで満員。博多南線は在来線でありながら新幹線車両が走る特殊な路線だ。新幹線の車両基地イベントに、新幹線に乗って。これは結果的にそうなっただけのことだが、なかなかよくできた舞台設定だ。
ふれあいデーは、事前購入の電子チケットによる有料制のイベントだ。当日の来場者は約5000人。博多南駅から車両基地までの10分ほどの道のりも親子連れの姿が目立っていて、なんとなく華やいだ雰囲気だ。
そうして車両基地の中に入ると、これまたますます熱気に満ちていた。
「踏切エリア」と呼ばれる入場門に近い線路の上には700系レールスターとONE PIECE新幹線が仲良く並んで展示中。
先頭車両では記念撮影や運転台見学が行われている。どちらももちろん大盛況だ。






