デビュー当初に秋元康氏から「小粒だ」と言われ、扱いも先輩たちと違った

――AKB48のオーディションでは、最終選考まで進んだものの惜しくも落選。当時はどんな思いでしたか?

上枝 とくに何か発表もなく、しれっと落ちてたんですよ。すごく悔しかったです。

 でも、東京のアイドルということで、ちょっと合わない部分があったけど、最終選考まで行ったしなと思って、地元のNMB48のオーディションを受けて、3期生として入ることができました。

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――NMB48に加入されたのは2011年、3期生としてでした。小さなころから夢だったアイドルとして活動した当初、印象に残っていることはありますか。

上枝 私たち3期生は、オーディション後に秋元さんから「小粒だ」と言われたんです。それがすごく衝撃でした。「あ、私たちは注目されないところから始まるんだ」って。

 秋元さんは檄を飛ばすみたいに、あえてそういう言葉を使うこともあるとは理解しています。ただ、2期生までとは待遇も違っていて、悔しいことも多かったのは事実です。私は3期生の中で最も年上だったので、キャプテンを任されていたんですけど、責任やプレッシャーも大きくて……。3期生だけ公演のチケットが売れず、スタッフから「お前たちだけ売れていない」と言われたこともありました。

上枝さんを含むNMB48の3期生は、秋元康氏から「小粒」と評されていた(写真提供=本人)

“組閣”でチームは解散に

――キャプテンとしては、かなりキツい状況ですね……。

上枝 悔しかったです。そのときはキャプテンとして何をすべきかを考えて、メンバー全員で話し合って、ビラ配りをしたり、ブログタイトルを揃えたり、とにかくできることを全部やりました。同じキャプテンでも、初代キャプテンの山本彩さんはダンスも歌も完璧すぎて、言葉より姿で示すタイプ。私は「みんなで手を繋いで進む」タイプなんですよね。

 そうやってみんなで頑張った結果、チケットは完売できました。ちょうどその時期に私も「AKB48グループじゃんけん大会」で2位になって「やっとここからだ」と思えたタイミングだったんですけど……その直後にグループ内の人事異動=“組閣”があって、チームが解散になってしまって。積み上げてきたものが一気になくなったように感じて、ショックでした。