じゃんけん大会で“ヤラセ疑惑”も
――2013年のじゃんけん大会では、初出場ながら準優勝でした。勝ち進んでいく中で、どんな心境だったんですか?
上枝 「無心でやる」をテーマにしていたので、実はあんまり何も考えずに勝ち進んでいった、というのが正直なところです。大会の直前に祖父母が続けて亡くなっていたこともあって、「なるようにしかならない」という心境だったんですよね。言ってしまえば、ただ手を出していただけでした(笑)。それが気づけば準々決勝で、そこで「あれ? めっちゃ勝ち続けてる」と実感しました。
――そこからどう戦ったんですか?
上枝 「グーだけ出す」と決めました。そこまでのじゃんけんは、時々の感覚で手を変えていたんですが、「考えるとブレる」と思って。もう「運にすべて任せよう」と決めて、準々決勝以降はずっとグーでした。
――決勝のお相手、松井珠理奈さんも「同じ手を出し続けていた」と言われていますよね。
上枝 そうなんです。あとから知ったんですが、珠理奈さんはずっとパーを出していたみたいで。でも当日、ステージ上では距離もあったし、実況も聞こえなかったので、相手が何を出しているかは全くわからなかったんです。
――前年、島崎遥香さんが同じ手を出し続けて優勝していたこともあり、一部では“ヤラセ疑惑”もありました。
上枝 「ヤラセでしょ?」とすごく言われました。でも、本当に違います。もしヤラセだったら、センターになる人はもっと戦略的に選ばれていたはずですし……。私は無心でグーを出し続けて、そして決勝でパーに負けただけ。それは、ただの運というか、流れでしかありません。
――準優勝という結果については、今どう感じていますか?
上枝 2位でよかったと思っています。センターに立つより、隣に立って光るほうが自分には合っているかなって。あの結果だったからこそ、自分に合った立ち位置がわかったんです。
もしあそこでセンターになっていたら、今のように海外で女優として活動していなかった気もしますし。だから「2位で良かった、あれも自分の人生のレールの一部だったんだ」と、今ははっきり思えます。
