スペインのNetflixは「理想的な現場」

――今秋、スペインのNetflixが制作したドラマ『ビリオネアズ・シェルター』にも出演されました。Netflixの現場は特に待遇がいいと聞きますが、どうでしたか。

上枝 すごく整っていますね。虫に噛まれて手の指が腫れたことがあったんですが、医療スタッフが常駐してるのですぐ診察してもらえました。

 食事も手厚くて、朝食に加えて軽食タイムがあって、ランチには作り置きやお弁当ではなくて、あたたかいものが出てきます。持ち帰り用のお弁当まで出てくるのには驚きました。「空腹はパフォーマンスを落とす」という考え方が根づいているようで、スタッフも出演者も穏やかに仕事ができる、理想的な現場でした。

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Netflixの『ビリオネアズ・シェルター』に出演を果たした(写真提供=本人)

――NGを出してしまったときの空気は、どんな感じなんですか。

上枝 全然、優しいですよ。誰かがミスをしても「ちょっと休憩しようか」と声をかけ合うような雰囲気で、Netflixだけじゃなくて、スペインで怒号が飛ぶような現場は経験したことがないです。

――日本とスペインの芸能界を経験して、文化の違いを感じることはありますか。

上枝 一番大きな違いは、上下関係ですね。日本では敬語や座る位置、乾杯の順番など、細かいマナーが求められます。スペインにはそういうものがなく、とてもフラットな空気なんです。物理的にも心理的にも人との距離が近いので、ちょっと困ることはありますけど……(笑)。もちろん日本が悪いという話でもなく、どちらの国にも良さがあって、私は両方好きです。

『ビリオネアズ・シェルター』での「Haiku役」として撮影した1枚 写真提供=本人

「日本を捨てた」と言われたことも

――大きなドラマにも出演されて、直近では結婚の発表もありました。今後はどんな活動をしていきたいですか。

上枝 NMB48を卒業して、海外で芝居をやると発表したときは「本気じゃないでしょ」みたいな空気も感じていました。あんまり期待されていないんだなって。

 その後も「日本を捨てた」と言われたこともありましたけど、海外に出たからこそ「世界って、そんなに広くないんだ」と感じられたので、国境に関係なく、いろんなところの架け橋になりたいなって思います。「アイドルから女優になった人」ではなく、「海外と日本を行き来する女優」として認識されたいですね。

 将来的には、会社を立ち上げたり、スペインでアイドルグループをプロデュースしたりするのもいいなと思っています。

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