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「急に動けなくなって布団やトイレの中でこもって…」
サトルくんの不登校は、家庭に大きな影を落とした。服用する薬も増えた。
「登校時間が近づくと『ドキドキしてきた』と言うようになりました。『よし、行くぞ』という気分になれば登校できるんですが、急に動けなくなって布団やトイレの中でこもって、『うー』と唸ったり、精神的なキャパを超えて『わー』と叫んだりします。『じゃあ休む?』って聞くと静かにうなずいて。そこからクールダウンをして、その日の体調を整え直す。その繰り返しです」
中学入学を機に転院し、定期的に通っているメンタルクリニックでは、心理士からアドバイスも受けた。
「『過去を過去にしていきましょう』と言われました。そのためにも、性被害の後に受けた首締め事件の調査が早く進んでくれるといいのですが……」
サトルくんは現在もPTSDの治療を続けている。母親も性被害事件や首絞めいじめ事件の対応にストレスが募り、最近では、ChatGTPに相談することもあるという。
「壁打ちをするように吐き出しています。市民として何ができるのかと聞くと、“個人でやりとりしても効果がないから、陳情書を作ってみましょう”と言ってくれたりします。息子の自傷行為とどう向き合っていくかを相談してしまうこともあります。息子も部活で悩んだときなどは相談していました」