わいせつな画像や動画を撮ってしまうカップルも…

 厄介なのは、一部のカップルの間ではそれが悪ノリになって、キスをしたり、抱き合ったりしているところを自撮りすることがある点です。前章の児童ポルノで見たような、わいせつな画像や動画を撮ってしまう子もいます。

 控えめに言って、カップルが仲睦まじい時期は、そうしたデータはお互いの愛を確かめる証なのかもしれませんが、いったん関係性が壊れれば相手を威嚇するための凶器となりえます。

 たとえば女の子側に、相手に対する恋愛感情がなくなり、別れを告げたとしましょう。相手がそれに納得せず、「ふられた腹いせだ」とばかりに交際中に撮影したわいせつな画像をネットに流出さたらどうなるか。画像はあっという間に拡散され、彼女にとって一生残るデジタル・タトゥーとなってしまいます。

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写真はイメージ ©Trickster/イメージマート

関係が悪化した時に脅威となる“リベンジ・ポルノ”

 こうした行為は、“リベンジ・ポルノ”と呼ばれています。カップルの関係が悪化した時に、相手のわいせつ画像をネット上に拡散させる行為のことです。

 リベンジ・ポルノは、近年増加傾向にあります。図15を見ていただくとわかるように、警察に対する相談件数は右肩上がりになっており、7年連続で最多を更新しているのです。

 子どもたちは、リベンジ・ポルノがどれだけ恐ろしいものかを知っています。それゆえ、わいせつな画像や動画を悪用しようとする子もいれば、それが弱みとなって支配から逃れられなくなる子もいるのです。

 こうしたことがデートDVをエスカレートさせている一面もあります。

 あるカップルがいたとしましょう。最初はとても仲が良かったけれど、途中から男の子が暴力を振るうようになった。一般常識的に考えれば、女の子はさっさと別れればいいのですが、相手にわいせつ画像を握られていると、次のような不安を抱きます。

「もし別れを切り出したら、相手からリベンジ・ポルノをされるかもしれない」