お金を貢がされたり、万引きを強要されるケースも
わいせつ画像が脅威になるのです。これによって、女の子は別れたいとは言い出せませんし、大人にも相談できません。そうこうしている間に、相手からの暴力がどんどんエスカレートしていくのです。
実際にかつて私が取材した高1の女の子は、恋人にわいせつ動画を握られているがゆえに、身体的な暴力に加えて、アルバイトのお給料をすべて貢がされたり、万引きをやらされたりしていました。
現在は、中高生の大半がスマホを所有し、カップルは日常的に自撮りを楽しんでいる時代です。その中で、うちの子だけは大丈夫と言い切れる保護者がはたしてどれだけいるでしょうか。
数十年前と同じような恋愛や性の教育では足りない
思春期を迎えた子どもたちが人を好きになり、交際したい、肉体関係を持ちたいと思うのは至極自然なことです。大人はそれを歓迎こそすれ、頭から否定するものではありません。
ところが、彼らが相手と十分な信頼関係を構築する力がなかったり、スマホの適切な使用法を知らなかったりしたら、どのような事態が待ち受けているのか。それが、これまで見てきたような恋愛トラブルなのです。
もしかしたら大人の中には、これを思春期にありがちな“青春の傷”と捉える人もいるかもしれませんが、昔と今で違うのは、それがリベンジ・ポルノのように人生の致命傷になるリスクがあることです。
それを考慮した時、私たち大人は、数十年前と同じような恋愛や性の教育で事足りると考えるのではなく、今の子どもに欠けているものを認識した上で、彼らに必要な恋愛のあり方、性のあり方をきちんと言語化し、伝えていくことが必要になっていると言えるのです。