警視庁に重大な不祥事が発覚した。「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と位置づけ、警察当局が組織をあげて摘発を進める全国最大規模の違法スカウト組織「ナチュラル」に捜査情報を漏らしたとして、11月12日、警視庁暴力団対策課の警部補、神保大輔容疑者(43)が地方公務員法(守秘義務)違反の容疑で逮捕されたのだ。
「逮捕容疑は、今年4月と5月にナチュラルの関係先に監視用として設置されていたカメラで撮影した画像を、ナチュラル内部で開発したスマートフォンの連絡用アプリを通じて提供したというもの。
自宅からは現金900万円が見つかっており、捜査班の主要メンバーでありながら、逆に捜査対象に取り込まれたとみられている」(捜査関係者)
重要ターゲットが逮捕の数日前に逃亡
実は、警察内部では早くからある噂が囁かれていた。
「捜査の情報が筒抜けになっているのではないか」
発端は2025年1月下旬。警視庁の暴力団対策課を中心とした捜査班が、幹部を含む一斉逮捕に動いたことがあった。当時を知る捜査関係者が振り返る。
「逮捕予定の人物を徹底的にマークし、都内でコウカク(行動確認)までしていたのだが、着手の2、3日前に一斉に姿をくらませた。情報が完全に抜けていたとしか考えられなかった」
結局、末端の集金担当の2人しか逮捕できず、捜査は明らかな失敗に終わる。



