伏見を獲得した“意外な裏事情”

「控え捕手不足です。梅野は2年前のヤクルト戦で左手首に死球を受け、左尺骨を骨折。そこから打撃フォームが崩れ、今に至っても立て直せていません。さらに、今年に入ってから動体視力が急激に落ちたといいます。

 藤川監督は一世代下の榮枝裕貴捕手(27)の成長を期待していましたが、怪我もあって今季は一、二軍を行ったり来たりと伸び悩んでいる」(球団関係者)

梅野隆太郎捕手(本人SNSより)
榮枝裕貴捕手(右、本人SNSより)

 さらに、正捕手の坂本にも一抹の不安があるという。今季、キャリアハイとなる117試合に出場。侍ジャパンにもプロ入り後初選出され、11月15日に行われた韓国との強化試合では先発マスクをかぶり、5回には適時打を放つ活躍を見せた。だが、

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「今季の阪神はチーム防御率が12球団トップの2.21と、投手陣が鉄壁でした。坂本のリードは、投手に気持ちよくボールを投げさせるタイプ。投手陣のレベルが高いときはそれでも良いですが、若手のレベルを底上げするには物足りない。そのためにはリードで投手を引っ張っていくタイプの捕手が必要不可欠です」(同前)

坂本誠志郎捕手(右、本人SNSより)

 今季、ぶっちぎりでセ・リーグを制覇したとはいえ、2連覇を目指すには捕手の強化が急務だったのだ。

「そこで、余剰戦力が多い投手を差し出して伏見の獲得に至った。伏見にかかる期待は大きい」(同前)

 虎投手陣の女房役として、伏見の新たな“トライ”が始まる。

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