摂食障害、そして「双極性障害」の診断

もち子 でも、学校生活のストレスと受験のプレッシャーが同時に襲いかかってきて……。だんだんと過食が止まらなくなり、摂食障害になってしまいました。たくさん食べては吐いてしまう、という状態でした。

――なんと……。

もち子 勉強も、1週間頑張れたら次の1週間は何も手につかない、という波が激しくなっていきました。そして夏休みに入った瞬間、ぷつりと糸が切れたように塾に行けなくなり、家から一歩も出られなくなってしまったんです。

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――心身ともに限界だったんですね。

もち子 心配した両親が病院に連れて行ってくれて、そこで「双極性障害」だと診断されました。そのときは、もうネガティブなことしか考えられませんでしたね。勉強を頑張りたいのに、体がついてこない。もう自分はダメなんだ、と。

――ご両親はどんな反応を?

もち子 父も母も「もう勉強しなくていいよ」「今年は休めばいい。大学に行きたいなら、来年浪人すればいいから」と言ってくれました。その言葉に救われましたね。

――いいご両親ですね。

もち子 はい、両親は本当に愛情を注いでくれました。今でも両親が悲しむかなって思うことはしないです、絶対に。小さい頃から父に「物事の本質を捉えろ」とずっと言われてきました。その言葉の意味が今ではわかるし、自分の仕事の姿勢にも結びついていると思います。

 お客様にただサービスを提供するだけじゃなくて、本来求められているものはなんだろうとか考えるくせがつくようになりました。人と関わるときも、この子の本質はどういうところにあるんだろうとか、この言葉の裏になにがあるんだろうとか。

――素晴らしいお父さんですね。

もち子 お父さんから言われたのはそれくらいで、あとはお箸の持ち方くらいです(笑)。お母さんからも「片付けしなさい」とかそういうことしか言われた記憶ないです。「勉強しなさい」と言われたこともほとんどなく、門限もありませんでした。

――信頼されてたんですね。