「歌手になる夢を諦めたわけではなくて」会社員として働きながら、SNSで歌の発信をしていたが…

――帰国後は、どんな活動を始めたのでしょうか。

めい それまでの私は、「夢のためにお金を貯めなきゃ」と睡眠時間を削っていろんなアルバイトをしていたんですけど、精神的にも肉体的にもしんどくて。「自分が幸せじゃないと、人に笑顔は届けられない」という思いもあったので、まずは事務などのスキルを身につけられる環境で働いて、自分の生活の基盤を整えることにしたんです。

 ただ、歌手になる夢を諦めたわけではなくて。会社員として働きながら、SNSで歌の発信もしていました。

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海外ではボランティア活動をしながら歌を披露していた(写真=本人提供)

――どんな仕事をしていたのですか?

めい 人材系の会社で、事務職として働き始めました。その後、障がい者支援の会社に転職したんです。

 転職先では、障がいのある方と関わる機会も多くて、「この道を極めるのもありかもしれない」と思うようになっていきました。ただ、転職後は、SNSでの音楽活動がかなり減ってしまって。

「これが最後のチャンスだ」歌手の活動を始めた経緯

――障がい者支援の仕事にやりがいを感じていた?

めい そうです。でも、ある意味「逃げていた」部分もあって……。本音では歌手として誰かを元気づけるための活動をしたいけど、「きっと私には無理」という思いが拭えなかったんですよね。

 それで、やり方は違うけど、困っている人をサポートする仕事に携われている、と自分を納得させようとしていたんです。

 でも部署異動をきっかけに、心身のバランスを崩して退職することになってしまって。当時は、「歌手もダメ。支援の仕事もダメ。私の怪我には、何の意味もなかったんだ」って落ち込みました。

 

――そこから、どんな経緯で歌手として活動することになったのでしょうか。

めい 歌手の夢を諦めたら、これまで頑張ってきた自分がなかったことになってしまう。そう思っていたときに、今の事務所(ココダイバーシティ・エンターテイメント)のオーディション案内を見つけて、「これが最後のチャンスだ」と思って受けたんです。

 合格したときは、素直に嬉しかったですね。「もう一度、頑張ってみよう」と思えました。