「片目で気持ち悪い」と言われて落ち込んだことも…それでも人前が歌うワケ
――そして今年8月、ついに歌手としてメジャーデビュー曲「Croissant~欠けた世界で気づけたもの~」をリリースしました。
めい 「めいさんの歌を聴いて、焦らなくてもいいんだって思えました」ってコメントをいただいたときは、「私の歌で元気になった人がいた」「やっと夢に向けて大きな一歩を踏み出せた」と実感して、本当に嬉しかった。これからさらに、多くの人に私の歌を届けられるよう、頑張っていきたいです。
――メジャーデビューしたことで、人前に立つ機会も増えたと思います。怪我をしたばかりのときは「周りの人に見られるのが辛かった」と言っていましたが、今はどうですか?
めい 怪我をしたあとは周りの視線を気にしていたし、「片目で気持ち悪い」と言われて落ち込んだこともありますが、今は「この見た目だから、覚えてもらいやすくてラッキーだな」と思っています。特に人前に立つ仕事では、この見た目は強みだなって。
一方で、人前に立つ機会が増えれば増えるほど、これまで気にならなかったようなところが気になってきちゃって。「もっとあの人みたいだったらな」「顔のパーツがもっとこうだったらな」とか。
でもそれも含めて、「私の個性」として受け入れていきたい。自分自身が見た目に振り回された経験があるからこそ、見た目で判断しない、誰もが生きやすい世界になるといいなって。私も、歌やSNSを通じて、できることをしていきたいです。
「片目を“売り”にしている」SNSでネガティブな反応をされることも
――事務所に入ってから、SNSで歌だけでなく、怪我のことも発信し始めたそうですね。
めい それまでは、自分の怪我について触れるのが怖かったんです。私自身、まだ怪我を受け入れられていなかったのもあって。
でも今の事務所には、いろんな障がいや特性を持つ仲間がいて、その人たちから「隠さなくても大丈夫」「自分を出してもいいんだよ」って勇気をもらったんですよね。
――それでも、SNSで怪我を公表するのは、葛藤もあったのではないでしょうか。
めい やっぱりありましたね。特に「片目が見えないくらいで、なんでこんなに辛そうにしているんだ」と思われないかなって。実際、「片目が見えないくらいで大げさ」「片目を“売り”にしている」と言われることもあって。
――ひどいですね。
めい でも自分自身で、自分の障がいを軽く見てしまっていた部分もあったんですよね。というのも、実は片目を失明していても、片方の視力が一定以上ある場合は、障害認定されないんです。
もちろん今は片目失明が軽い障がいだなんて思ってないけど、社会的には障がい者として扱われてないから……という葛藤はありました。

