桑田退任の“本当の理由”とは?

 退任が発表される前日までみやざきフェニックス・リーグで指揮を執っており、急転直下の人事だった。球団関係者が舞台裏を明かす。

「山口寿一オーナーが、桑田に対しやりづらさを感じている阿部に配慮し、退任を決断したと言います。桑田は海外選手の獲得を担う国際部への異動を打診されるも蹴った」

 阿部監督と桑田氏の間で最後まで分かり合えなかったのが指導方針だという。

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「理論派の桑田は『量より質』を重視し練習時間が他球団に比べ圧倒的に短かった。対する阿部は猛練習を求める。二軍監督時代には早稲田大学に負けたナインに罰走を命じた」(同前)

「俺は3年でいいや。もうやらない」

 距離のある二岡氏と桑田氏が去り、監督が目論むのが“お友達人事”だ。

「元チームメイトの李承燁(49)に打撃コーチをオファーしたのです。2人は現役時代からよく食事を共にする仲。李は今年、韓国のプロ野球チームで監督を務めていたが、成績不振を理由にシーズン途中で辞任している。指導力があるとは言い難い」(同前)

(左から)桑田氏、阿部監督、二岡氏

 来季は、阿部監督にとって3年契約のラストイヤー。監督は早くも周囲にこう溢しているという。

「俺は3年でいいや。もうやらない」

 別の球団関係者が嘆く。

「最近の監督は『〇〇が足りない』と、チームの士気を下げかねないネガティブな発言が目立つ。橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)と、入団同期の監督付広報とばかり話し、他のコーチや選手と直接対話する機会が減っている。このままだと来年は優勝どころか、Bクラス落ちもあり得ます」

 とりわけ「足りない」と、補強を求めるポジションが投手だという。

「監督は『とにかく投手の確保だ』と言い、ドラフト会議では1位から3位まで投手を指名。他球団で戦力外となった投手も2人獲得した。海外FA権を行使した楽天の則本昂大の獲得に向けても調査に動いている。野手では日ハムの松本剛の獲得が濃厚とみられます」(前出・記者)

 大型補強よりも足りないのは監督の覇気では?

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