「客の男と寝る妻」を覗き見する歪んだ欲望

 妹を妊娠させた件で実家を追い出された後、パキスタン人男性との間に子を宿していた売春婦のキャサリン・コステロ(当時19歳)と出会うのは1962年9月、21歳のとき。それまで多くの女性と性行為を繰り返してきたフレデリックだが、キャサリンと初めて体験した倒錯的なセックスに骨抜きとなり、同年11月に結婚。彼女の故郷であるスコットランド・グラスゴーの、ゴミ箱に排便するような貧民窟に移住する。

 フレデリックはそこでキャサリンに体を売らせ、客の男と寝る妻を覗き見するのを何よりの悦びとした。そのくせ異常までに嫉妬深く、商売以外でキャサリンが男と寝たら、容赦なく殴る蹴るの暴行を働いた。

 そんな最悪の環境下、1963年3月に長女シャーメイン(フレデリックの義理の娘)、1964年7月に次女で実子のアン・マリーが誕生。このころのフレデリックは移動販売のアイスクリーム屋を生業としていた。仕事柄、若い女性と知り合う機会が多く、アイスクリームを餌に多くの娘をナンパし関係を結ぶ日々。彼は決して二枚目ではなかったが、しゃべりが達者で、人当たりも良かったため、面白いように女の子が落ちたそうだ。

ADVERTISEMENT

 しかし、1965年11月に誤って屋台の車で幼い男の子を轢き殺してしまったことで(訴追は免れた)、グラスゴーに居られなくなり、同年12月に妻子とともにイングランド南西部のグロスターに転居する。