3/4ページ目
この記事を1ページ目から読む
最後の犠牲者は「実の娘」
ただ、最後の犠牲者となった夫婦の初めての実子、ヘザーは違う。フレデリックとローズは他人の娘を殺害する一方、自分たちの子供らにも拷問・虐待を加えていた。前記したとおり、アン・マリーがフレデリックに妊娠させられ家を出た後はヘザーと2つ下のメイがターゲットになった。2人は幼いころこそ抵抗する術を持たなかったものの、数年すると父に犯されないよう互いを見張り助け合った。が、近隣住民が折に触れ、苦悩に満ちた声を耳にしていたことから、その努力も報われなかったものと思われる。
精神的にも肉体的にも追いつめられたヘザーは、信頼できるクラスメイトに父親から性的虐待を受けていることを打ち明ける。もちろん、口外しないことが約束だった。が、そのクラスメイトが自身の母親に話したことから、母親の友人だったフレデリックとローズにも伝わってしまう。
結果、報復と口封じのため、ヘザーは両親にいつも以上に酷い拷問を受けた後、殺害され自宅庭の敷石の下に埋められる。1987年6月19日、16歳のときだった。