サイバーエージェント・藤田晋社長(52)の新刊『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』が11月19日の発売から僅か6日で5万部を突破した。大手書店のビジネス書ランキングでも軒並み1位を獲得するなど、話題沸騰の1冊となっている。

28期連続増収に加え、フォーエバーヤングも町田ゼルビアも

 サイバーエージェントは11月14日、創業来28期連続増収を達成した2025年度通期決算とともに、藤田氏が12月12日付で社長を退任し、会長に就任する人事を発表した。創業社長の引き際に注目が集まる一方で、11月2日には愛馬フォーエバーヤングが世界最高峰のG1・米BCクラシックに勝利。11月22日にはオーナーを務めるFC町田ゼルビアがJ1昇格2年目で天皇杯を制覇するなど、圧倒的な勝負強さを発揮し続けている。藤田氏も自らのXに〈個人的になんか今年凄いです〉とポストした。

「勝負眼」が次から次へと炸裂する藤田氏 ©文藝春秋

エイベックス松浦会長、DeNA南場会長らが絶賛

 そんな藤田氏の新刊『勝負眼』には、各所から様々な反響が寄せられている。発売前にはエイベックス・松浦勝人会長が自身のXで、〈俺が本気でリスペクトしてる経営者は、藤田晋〉〈10冊予約した。周りのみんなに配る! 文藝春秋社は大嫌いだけど、藤田好きな方が勝る〉とポスト。

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 発売後には、ベストセラー『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』の著者・田中渓氏が〈藤田社長の半生や、「あの時の本音」が読める、事実は小説より…というような一冊でした〉とポストし、DeNAの南場智子会長も「週刊文春」11月27日号での藤田氏との対談で、〈テーマは多岐にわたって面白いし、学びも多い〉などと述べていた。

 さらに、プロ雀士の多井隆晴氏も〈ビジネスと麻雀は似ているとよく聞くが さすが社長 麻雀に関しても ど真ん中を射ている〉とポスト。ビジネスパーソンを中心に、麻雀や競馬、サッカーファンまで幅広い読者を獲得している。

麻雀の実力も財界屈指 ©文藝春秋

いかにして、2代目社長にバトンタッチするのか

 本書は、経営者の書籍にありがちな聞き書きではなく、藤田氏が多忙な合間を縫って自ら全てを綴った1冊だ。まさに「渾身の13万字」。それだけに、様々な具体的エピソードやリーダー論が超実践的に、かつ独自の視点で綴られている。今回、藤田氏から以下のような直筆メッセージが届いた。

〈経営者としての想いや心構え、様々な手法を書き残すことができた〉

藤田氏からの直筆メッセージ

 12月12日で会長に退く予定の藤田氏。後任社長には、山内隆裕専務執行役員(42)が就くことが発表された。四半世紀にわたってサイバーエージェントを牽引してきた創業社長がいかにして、2代目社長にバトンタッチするのか。

サイバーエージェントを日本を代表するIT企業に育て上げた ©文藝春秋

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 新刊『勝負眼』では、引継ぎ研修の中身や新社長の条件、さらには、若者マネジメントの極意やトンガった企画の生み出し方、撤退戦の大切さと難しさ、著名人から学んだ社交術に至るまで、52本に及ぶ「ビジネスの最強鉄則」を明かしている。

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