パイロットの通報により、現地に国立公園職員とアラスカ州警察が急行。そこにいた2頭のクマを射殺した。

あたり一帯にはトレッドウェルとヒューグナードの遺体が散乱していた。

映画『グリズリーマン』によると、現場にはトレッドウェルのものと思われる、腕時計をつけたままの腕が残されていたという。トレッドウェルとヒューグナードの遺体はビニール袋4つ分あった。遺体が食害されバラバラになっていたので、ビニール袋に入れて回収したのだ。

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アメリカ国立公園局の公式報告書によると、射殺されたクマを解剖し、胃の中から「およそ25ポンド(約11キロ)の筋肉、脂肪組織、皮膚」が取り出された。また、「45センチメートルほどの長さの暗いブロンド色の髪の毛」が大量に見つかっている。

「クマ襲撃事件」の背景事情

さらに、事件現場に残されたビデオテープには、襲撃時の音声が録音されていたという。クマの襲撃を受けた際に、ビデオカメラの電源がオンになったようだ。

映像は写っていないが、数分間にわたり、トレッドウェルたちの叫び声が収録されているとされる。この音声データは非常にショッキングな内容のため公開されていない(ネット上にはこの音声と称するデータがアップロードされているが、真偽は不明であり、著作権およびプライバシーの侵害にあたる可能性もあるため、視聴はおすすめしない)。

トレッドウェルのテント内には、チーズ、ソーセージ、チップス、キャンディーといった食料が残されており、これらの食料がグリズリーを引き寄せた可能性が指摘されている。

また、テントの周りに電気柵を設置するといった防御策は講じられていなかった。

こうした状況から、適切なクマ対策がとられていなかったことが、襲撃事件の遠因を作ったと想定される。

「グリズリーマン」と呼ばれるほど、クマと密接に関わろうとしたがゆえの悲劇だった。

なぜ適切な対策をとらなかったのか

トレッドウェルはクマ避けスプレーなどを携帯しようとしなかった。またキャンプ場の周辺に電気柵を設けることもしなかった。クマと戦うとクマを傷つけてしまうと言い、武器を携帯することも断っていた。そのため、アメリカ国立公園局からは度々ルール違反の指摘を受けていたという。