「『本当は整形しているだろ、嘘つくな』みたいなコメントは、ほぼ毎回届きます」
学生時代に野球へ打ち込み、身体づくりの一環で時には「吐きながら食べていた」とまで振り返る食生活で、ピーク時には100キロほどの体重だった小松田卓宏さん(27)。大学で野球を引退した後にダイエットやスキンケアに目覚め、ピーク時から40~50キロほどの減量を果たして垢抜けイケメンに大変身を遂げた。
その「劇的ビフォーアフター」をSNSに投稿すると、大きな反響があったとともに、冒頭のようなコメントが寄せられることもあるという。整形を疑われるほどの変身をどう成し遂げたのか。本人に聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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「プロ野球選手」の夢を諦めた理由
――プロ野球選手を目指して、報徳学園高校から立教大学に進学した小松田さんですが、大学進学後の話を聞かせていただけますか。
小松田さん(以下、小松田) 高校は規則や規律がとにかく厳しかったのですが、大学に入ると自由度が高かったことに驚きました。チームで練習するのは1日に数時間程度。それ以外の時間は、メニューを与えられるのではなく、自分で考えなければいけない。ただ、その自由時間をどう過ごすかで、数年後プロになれるかどうかが決まってくる。そのプレッシャーはすごかったです。
――その環境で、小松田さんもプロを目指していたのですよね。しかし、現在は野球とは全く違う分野で活躍されています。どんな転機があったのでしょうか?
小松田 大学3年生の時に、監督から「チーフ」にならないかと打診されたんです。立教大学の野球部で言うチーフとは、簡単に言うと下級生の練習を見たり、メニューを考えたりする「学生監督」のような役割です。
学生からの信頼と、ある程度の実績がないとなれない立場なので、声をかけていただけたことはとても光栄でした。でも、チーフになると練習よりも指導がメインになるので、すごく迷いました。
――つまり、プロ選手への道が遠ざかってしまう?
小松田 はい。文字通り「野球一筋」の人生だったので、選手にならない未来を考えたことがなかったんです。ただ、高校大学とすごい選手に囲まれる中で、自分の選手としての限界にも気づき始めていて……。チーフを断ってこれまで以上に練習に打ち込めば、プロにはなれるかもしれない。でも、そこから第一線で活躍できる選手になれるのか、何年プロを続けられるのかは、自分にもわからない。結果が全ての世界で、結果を出し続ける自信がないのなら、ここまでかな、と。

