落ちてしまった自分を後輩に見られるのが嫌だった

――姿が変わったことで学校に戻る怖さはありましたか。

SHIBUKI めっちゃありました。車いすで卒業式だけ出たんですけど、恥ずかしさというか、自分はどう見られるんだろうっていうのはすごい考えちゃいましたね。

――病気を発症する前はどんな学校生活を送っていましたか。

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SHIBUKI ソフトテニス部で部活も楽しんでたし、ダンスも好きだったので、運動会では皆をまとめてリーダーとして仕切ったり(笑)。恋愛もメイクもおしゃれも目一杯して、青春を謳歌しまくってた感じです。

 

――お写真を見ても、活発なタイプだなと思いました。

SHIBUKI 障害を持ってから、前の自分はどれだけイキってたんだろうと思いました。

 自分勝手だったし、自己中な行動をしていたなとか、後輩にも厳しかったんで、一体自分は何やってたんだろうって反省もして。

――病気をしてから後輩に会うのは怖かった?

SHIBUKI めっちゃ怖かったですね。たぶん“めんどくさい先輩”と思われていたタイプだったし、上から目線のところがあったと思うんで。

 で、そんな自分が車いすになって途端に弱くなってしまったというか。元気だった時はめっちゃ声が大きかったんですけど、大きな声も出せないし、落ちてしまった自分を後輩に見られるのが嫌でした。

できることは限られるけど、いつでも助けられるようにしたい

――それまで、病気や障害のある人は周りにいましたか?

SHIBUKI それまでは本当に気が付いていなかったと思います。車いすの方が目の前にいたこともあったはずだけど、眼中になかったというか。

 でも、今はすぐに見つけるし、「この人は自分と同じ障害だ」ってわかることもあるし、「何かできないかな?」と思う時もあって。自分ができることは限られるけど、まったく何もできないわけじゃないから、いつでも助けられるようにしたいなって。

――中学卒業後はリハビリを行い、1年遅れて高校に入学されます。

SHIBUKI とにかくJK(女子高生)になりたい、なってやる、というのだけがモチベーションでした。放課後にプリを撮ったりバイトしたり、学校行事をバリバリやったり、そういうキャピキャピした高校生活を送りたかったんです。

 考えればできないことはわかるはずなんですけど、その時はそこまで深く考えが至ってなかったんですね。

――思い描いていたものとは違う高校生活になった?

SHIBUKI 障害者になってから大学1年までは、「暗黒期」でした。

 
次の記事に続く 《14歳で顔面麻痺》「顔の半分が動かない」「学校では杖とか歩行器を使って…」モデルを目指していた女性(27)が語る、“地獄だった高校生活”

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