無人島で暮らすと決めたワケ
――それでは尚更、どうしてお二人は新島に住むことに?
和子さん ちょこっとしたキッカケよね。人間っていうのは「どうかなー」って思ってるときに、誰かがぽーんと背中を押してくれるような大事なときがありますよね。
今住んでるところに当時は小屋があったんです。そこに作業道具を置けるなと思って、それをある人に話したら「いやいや、あなたたちがここに住むんですよ」って。その方は父と同じことをよく言われる方なんですね。父にも何かあったらその人を頼りにしなさいって言われていたから、最初は冗談でしょって思ったんですけど、私もそうかと思って。
――お父様の言葉として聞かれたわけですね。
和子さん だから、父の願いだったわけですよ。最終的にはやっぱり。そこからが大変で大変で、ほんとに時間がかかりました~! お金もそんなにありませんから、安く家を建てるために大工のまねごとをして。
でも、すべて神社ありきです。神社をお守りさせていただくために来ただけだから。民宿やカフェをやりたくて来たんじゃないから。たまたま来島された方が、「休憩するところがあったらいい」とか、「ここで星空を見たい、朝日も見たい。泊まるところはないですか?」と言うから、それに応えているだけ。
でも、人様がいらっしゃるのは全然違和感がないんですよね。小さいとき、家が氏子総代をさせてもらっていて、島に誰か来ると「うちに泊まんなさい」ってなってたんです。新聞記者の方とか、大学の先生方とか。いろんな人がいらっしゃって、母がおもてなしをして。うちは網元の一つだったから、寝泊まりするところがあったんでしょうね。そういった意味では、自分たちも人が来たときにはおもてなしができるというか、どうぞ~って対応させていただくことはできるのかなって。
――五社神社の氏子総代として、島の網元として、和子さんの家が担っていた役割は今も変わらないように思います。
和子さん ああ、そうかもしれない、そう言われたら。父にはめられた(笑)。
撮影=林らいみ
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