国内の行事でも、愛子さまはカメラがうまく撮影できるよう立ち位置を自ら微調整されることがある。初めての外国訪問でも、周囲や相手の様子をよく見て、機転を利かせられていると感じる瞬間だった。
想定外にも臨機応変に
外国訪問では想定外の状況になることが多く、陛下はかつて側近に「外国訪問はそういうものですよ」と話し、臨機応変に対応されていた。
今回ラオスでも、仏塔で急に記念撮影を提案される場面があった。到着後間もない行事で想定外の状況に直面したが、愛子さまは側近に確認の上すぐに応じ、ラオス側の随員にも自ら声をかけて一緒に撮影された。随員は記念に残る写真が撮れたことに感激していた。
また、伝統織物の博物館に到着した際、大きな花束を贈られた。一旦側近に預けたものの、すぐに自ら声をかけ、花束を手に持ち記念撮影をされていた。
贈られた思いを大切にされるとっさの行動だと感じられた。
自ら提案も 「愛子さまの思いを大切に」
今回の訪問では、両手を合わせ、右膝を少し下げる現地流の挨拶をはじめ、心を通わせるために愛子さま自ら提案されることが多々あったという。
仏像をお参りする際横座りをされていたのも、現地の女性の所作に倣ったものだった。
移動の機内や車中、早朝の高速鉄道でも、マーカーを引きながら資料を読み込み、訪問先の情報や現地の習慣などを確認されていたという愛子さま。
ある側近は、これまで国内での活動で発揮されていた対応力が生かされるよう、今回の訪問では「とにかく愛子さまの思いを大切にするよう心がけた」と話していた。その背景には、愛子さまの丁寧な準備と対応力への深い信頼があると感じた。
「私も、父を始め、皇室の方々の歩みを受け継ぎ、日本とラオスの懸け橋の一端を担うことができれば幸いに思います」(11月20日ルアンパバーンでの昼食会でのおことば)
皇室の長い伝統と歴史の1ページに、友好の絆を受け継ぐ担い手でありたい。
「国際親善デビュー」となったラオスへの旅は、皇室の一員としての重い責任を負いながらも、愛子さまの思いやアイデアが取り入れられ、愛子さまらしいほのぼのとした温かさに包まれたものとなった。
旅の安全と幸せを願う「バーシー」というラオスの儀式の白い糸は、帰国後も愛子さまの左手首に大切に巻かれていた。
特別な思い出として刻まれたこの訪問を礎に、愛子さまの「親善の旅」はこれからも続いていく。
【執筆:フジテレビ宮内庁担当 宮﨑千歳】






