「もっと私の話を聞いて欲しいし、優しくして欲しい」
彩子さんが黙ってしまったので、私は尋ねました。
「どうしたら信じられそうですか?」
彩子さんは顔を上げ、答えました。
「もっと構って欲しいです。家事をやってくれるのは助かりますけど、私は手料理じゃなくて買って来たものでもいいので、料理するくらいなら私にもっと構って欲しいし、部屋も多少汚れていてもいいので、もっと私の話を聞いて欲しいし、優しくして欲しいです。私に構ってくれないのに、他の女性に時間を使うなんて、それが許せないんです」
これが彩子さんの本音です。
「女性というのは、夫からの関心を求め続けるものです。彩子さんはそれがちょっと人より強いかもしれません。でもそれは、悟さんに愛して欲しいという事なので、決してお2人にとって悪い事ではないんです。悟さんは、家事に使っている時間を、彩子さんと過ごす時間に変えるようにしてみて下さい」
私がそう言うと、悟さんは、
「大事にしているつもりだったんですけど、伝わっていなかったんですね」とつぶやきました。
「やり方は人によってさまざまですから。彩子さんの望む方法ではなかった、という事です」
私はそう言った後、彩子さんに、
「浮気してるんじゃないかと思った時は『浮気してないよね?』『私の事好きだよね?』と確認するようにして下さい。携帯を見ようとするのは……皆さんにお伝えしていますが、私は賛成しません。夫婦でもプライバシーはありますし、夫婦の事でちょっとした愚痴を誰かに言いたい時もあるし。それを黙認する事が夫婦関係を良くしている面もあるので」と話しました。
