日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。今回は特別編。主に平成10年前後に入省した、各省庁の次世代ホープを紹介します。(イラスト=阿部伸二)

◆◆◆

サラブレッド、格闘王、イクメンエース……

 財務省、金融庁は過去20年、プライマリーバランス黒字化を最大の目標としてきたが、新政権誕生でミッション達成が目前で立ち消え、にわかに取り沙汰される「日本版トラス・ショック」を食い止めるべく神経をすり減らす。そんな中、政権が大規模な財政出動にアクセルを踏み込み、財務官僚たちは気を揉む日々が続く。

ADVERTISEMENT

 他方、自維連立の成立に伴い、これまで日本医師会や「厚労族」の厚い壁に跳ね返されてきた社会保障制度にメスが入り始めた。厚生労働担当主計官の大来志郎氏(平成10年、旧大蔵省)は、懸案のOTC類似医薬品の保険適用除外や高齢者の窓口負担見直しを担当する。

 維新が主導する教育無償化に伴う9000億円程度の財源確保を正面のテーマとするのは、文部科学係担当主計官の河本光博氏(同)だ。

 だが依然として少数与党の自維政権では、野党の協力なくして予算、法律の成立も危うい。政権寄りの姿勢を示す国民民主党が重視する「年収の壁」見直しに当たるのは、税制第一課長の田中勇人氏(同)だ。ワシントン時代の人脈が豊富で、訳書に『国際経済学入門』(日本経済新聞出版社)もある国際派である。ガソリン減税では主税企画官の木原健史氏(15年、財務省)が大きな役割を担った。消費税を担当する税制第二課長の片山健太郎氏(13年、同)は次世代の星として真っ先に名前が上がる。消費税減税が俎上から消えても片山氏は政界とのパイプ構築に余念がなく、いつか来る修羅場に備えている。

プリンス、野武士、女性幹部の躍進…

 奈良県副知事を経験し、「奈良人脈」とも噂される主計官の末光大毅氏(11年、旧大蔵省)、安倍官邸を知る吉住秀夫氏(同)、官房長官秘書官の任にあたる𠮷田武司氏(12年、同)らも省内外で名の通った人材だ。変わり種では、CBDC(中央銀行デジタル通貨)のスペシャリストである日本銀行出身の鳩貝淳一郎氏(14年、日銀)もいる。

 近年は女性幹部も目立つ。国債業務課長の城田郁子氏(13年、財務省)は、エースの登竜門とされる広報室長などを歴任、国債発行による資金調達に万全を期す立場に。国債応募額の「未達」が生じれば、財政危機につながりかねない。

※本記事の全文(約3000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年1月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。本文では60人のイラスト入り名鑑を交えて、高市政権を支える次世代ホープを紹介しています。

 ■高市首相を支える60人
 #1 高市官邸編
 #2 財務・金融・経産・外務編
 #3 総務・農水・厚労・文科・国交・環境・防衛・警察編

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋PLUS」で購読できます
高市首相を支える60人【財務・金融・経産・外務編】

※2年目から通常価格の10,800円(税込)で自動更新となります。
※お申し込み画面で年額プランをお選びいただき、プロモーションコード「NHRG9MBPM6」をご入力いただいても同じ割引が適用されます。

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】前駐中国大使が渾身の緊急提言! 高市総理の対中戦略「3つの処方箋」/霞が関名鑑 高市首相を支える60人/僕の、わたしの オヤジとおふくろ

2026年1月号

2025年12月10日 発売

1550円(税込)

Amazonで購入する 目次を見る
次のページ 写真ページはこちら