「あ、この人はわかってるわ」芦屋マダムに人気の手土産とは?

 現在の人気は阪急芦屋川駅近くにある「ダニエル」の洋菓子。これを手土産としてお渡しすれば、「あ、この人はわかってるわ」と喜ばれる。

「大阪方面から引っ越された方だと、リーガロイヤルホテルのチョコレートセットも人気ですね。六麓荘だと近所付き合いが少ないので、引っ越しの挨拶ぐらいしか顔を合わさないんです。大きな門を通って奥の車庫に車を駐車して、車から降りても人が見えないような豪邸に住んでいますから、顔を合わさない」(同前)

芦屋で暮らすマダムたち ©加藤慶

大手芸能事務所の創業者の自宅が六麓荘にある

 町内会の役員にでもなれば話は別だが、そうでない人は隣人との付き合いもない。そうなると、「一年のうちに一度も顔を合わさないこともある」という。

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「これだけプライバシーが守られている町もありません。芸能人やプロスポーツ選手がいないのがええんですよ。人気の芸能人が住んだらおそらくファンが来るでしょうし、そうなると六麓荘の雰囲気が変わる。現状では著名人の居住に反対する人が多いのも必然なんですね。そういえば、B’zや大黒摩季さんが所属した大手芸能事務所『ビーイング』(現B ZONE)創業者の自宅が六麓荘にありますけれど、住民の方々にもきちんと受け入れられましたね」(同前)

 もちろん、仲の良い住民でホームパーティをしたり、お茶会なども開催されている。「自然が好きな人が多いので、近くに農園があって自分で畑を耕す人もいます。そんな人は農業が共通の趣味となって、仲良くなりやすいんです」(60代男性)という証言もあるのだ。

 昔から六麓荘は近所付き合いがなかったと証言する住民もいる。近所の人と会うとすれば犬の散歩だ。

「六麓荘には50年住んでますが、お隣さんがどなたかも知らない(笑)。人に会うことは、もうほとんどないですね……。私、いつも思うんですけど、全然知らん人が夜にここへ来たら、めちゃ怖いやろなあと思うくらい、シーンとしてる。私らが引っ越してきたときは、六麓荘はタヌキがよく出たわ(笑)」

 イノシシがよく出没した時代もあり、現在は条例で禁止されているが、餌付けする近所の住民もいたという。

次の記事に続く 「1億3000万円前後の高級マンションがすぐに売れる」日本屈指の超高級住宅街「芦屋」が“住みたくても住めない街”になってしまった“納得の理由”