1985年、ニューハンプシャー州のベアブルック州立公園近くの森で狩りをしていた男性が、大型ドラム缶の中から女性と少女の白骨遺体を発見した。

 司法解剖の結果、2人はともにネイティブ・アメリカンの血を引く白人で、1977年から1981年の間に撲殺されたと判明した。

写真はイメージ ©getty

 女性は23〜33歳、少女は5〜11歳と推定されたが、身元は特定できなかった。その後15年が経過した2000年5月、同じ森から新たに2人の女児の腐乱死体が発見された。この4人の被害者は誰で、なぜ同じ場所に捨てられたのか。長く謎に包まれていたこの事件の真相に迫る。

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40年近い時を経てDNA鑑定が導き出した犯人

 事件発生から30年以上が経過した2017年1月、捜査当局はDNA型鑑定により重大な発見をする。4人の被害者のうち、他の3人と血縁関係のなかった2番目の女児が、ボブ・エヴァンスという人物の実子であることが判明したのだ。エヴァンスは2002年にカリフォルニアで妻を殺害し遺体をバラバラにした罪で服役中、2010年に獄中死していた。

 その後の調査で、エヴァンスの本名はテリー・ペーダー・ラスムッセンであり、彼には複数の家族を捨てたり殺害したりした暗い過去があることが明らかになった。1975年には最初の妻との間に設けた4人の子供への虐待により逮捕されていた。