国民民主党が「党本部」として公表する所在地が、実際にはレンタルオフィスの狭小な一室とみられることが「週刊文春」の取材で分かった。
国会議員50人、地方議員300人以上を抱える国民民主党。1年に1度の党大会運営から選挙対策、広報など、山積する党の仕事を一手に引き受けるのが党本部だ。
だが、国民民主党党本部の実態を調べると、HPや党の公式書類に記載される「党本部」が、明らかに“ニセモノ”なのだという。
「国民民主党はいま、党本部を『永田町2-17-17 JBS永田町』という場所に置いています。例えば、政治資金収支報告書や、HPの『党本部へのアクセス』という項目にも、同じ住所が記載されている。党本部の写真として、JBS永田町が入居するビルの写真もよくメディアに使用されています」(政治部デスク)
この建物は地下1階、地上8階建てだ。
「建物自体は、『永田町ほっかいどうスクエア』という、北海道が所有する土地に建てられた複合ビル。『JBS永田町』というのは、このビル内に入居するレンタルオフィスの名前なのです。ビルの2階に位置し、合計45の個室と会議室が密集しています」(同前)
「漫画喫茶のようなもの」
実際にビルを訪れて表札を見ると、「278」号室に「国民民主党」との表記があった。一体どのような部屋なのか。同じJBSに入居する団体の関係者が話す。
「JBSは、部屋を小分けにして貸し出すパーソナルオフィスのサービスです。それぞれが月額4.5万円から同7万円で借りられる狭い“個室”です。278号室は最も狭く安いタイプで、広さはだいたい1.8平米。デスクと椅子が1つずつ置かれ、それで限界の狭小ブースです。壁は隣の部屋と上部が繋がったパーテーションで、漫画喫茶のようなもの。部屋の中での電話は禁止です」
党本部の業務がこの中でできるとは、とても思えない。しかし、党運営となると、フルリモートでできるものでもない。一体なぜ、このようなレンタルオフィスを党本部の所在地としているのか。
国民民主党に質問すると、榛葉賀津也幹事長名で次のように回答した。
「政治団体である国民民主党は、東京都千代田区永田町二丁目17番17号JBS永田町を所在地として登記しており、党ホームページ等ではこの登記上の所在地を記載しております。この度のご質問をいただく以前から、新たな事務所の設置の検討をしていたこともあわせて申し添えます」
だが、疑惑はニセ党本部を構えていたことだけではない。ここから郵便類を転送する「裏の党本部」は、別の場所にあった――。
配信中の「週刊文春 電子版」記事では、議員会館運営規則違反にもあたり得る国民民主党の「ニセ党本部」「裏党本部」問題を徹底検証している。
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