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岡本太郎からの手紙に書かれていたこと

──中尾さんは女優の仲里依紗さんと結婚されて、今や一児の父ですが、ジミーさんがどんな「ありえへん」ことをやらかしても決して見捨てないさんまさんの姿に、何か子育てに通底するものも感じました。ジミーさんは「ジミー大西」として人気を博した後、絵の才能を発揮するようになります。テレビでジミーさんの絵を見た岡本太郎さんからは「画家になりなさい」「もっと枠からはみ出しなさい」という手紙が届いたそうですね。

「僕が子どもの頃でもそうだったけれど、今は、こういった人を作りましょうって枠があって、そこからちょっと外れたら、批判され、叩かれる風潮がどんどん強くなっていますよね。人と同じでなくてはいけないという変な圧力が強くなっている気がします。うちの息子はまだ小さいからそんな大きな問題はないけれど、これから先、小学校に上がって大きくなったとき、どんな世の中になっているのかなと考えたりします。

 僕は、みんなが同じ行動が出来る必要はないし、団体行動を乱す子がいても、それも含めて勉強だと思うし、その子の全部が悪いわけじゃなくて、その子にはその子の良さがあるはずだと思うんです。

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 ドラマの中でも『天才とバカは紙一重』という台詞がありますが、そうした個性やデコボコを受け入れてもらえない世の中では、ジミーさんみたいな面白い人間が生まれなくなっちゃいますよね。それは学校でも、社会に出てもそうです。ジミーさんみたいな会社員っていないですよね(笑)。でもそれってすごく淋しいことだと思うんです。

 ジミーさんは芸能界で、さんまさんっていう大きな存在に巡り合えたけれど、ジミーさんみたいな個性溢れる素敵な方が普通に受け入れられる世の中のほうがずっと楽しいのになあと思いますね。“生きづらさ”を抱えた人が少しでも生きやすい世の中になってくれたらいいなと願っています」

©2018YD クリエイション

INFORMATION

「Jimmy~アホみたいなホンマの話~」
全9話 Netflixで世界190カ国独占配信中
https://www.netflix.com/jp/title/80138672

©2018YD クリエイション

中尾明慶(なかお・あきよし)
1988年6月30日生まれ、東京都出身。A型。12歳で子役デビュー。
TBS系ドラマ『3年B組金八先生』に出演し、注目される。その後、『ROOKIES』『WATER BOYS2』など数々の人気作に出演。2018年後期からは朝の連続ドラマ小説『まんぷく』に出演が決定している。

Jimmy (文春文庫)

明石家 さんま(著)

文藝春秋
2017年6月8日 発売

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