動物と暮らして気づいたこと
ずっと自分に自信を持つことができず、常に挑戦的でファイティングポーズをとっていた。自分の未熟さゆえのフラストレーションを抱えていたが、未熟であることが認められなかった。そうした葛藤が、10代の頃の激しい言動や作品選びに反映されていたのかもしれない。ネットでの中傷で傷つくことも数知れずあった。
しかし、動物と暮らしていると、そんなことは言っていられない。
「動物と暮らすようになって気づいたのが、自分自身がまず安定していないと、動物と一緒の暮らしはできないんですね。それは経済的にも精神的にも。だからこそ自分の生活を見直すようになりましたし、動物福祉や環境問題について勉強することで、心が豊かになれた実感もあります」(HUFFPOST 2022年12月7日)
現在は定期的にカウンセリングにも通い、メンタルを保つようにしているという。
アクティビストというと、0か100、白か黒、善か悪かという苛烈な言動をイメージしがちだが、彼女はそういう立場を慎重に避けている。自分の価値観を押し付けることもない。
「むしろ異なる価値観の人たちと意見交換をしながら、手を取り合って一緒に考えていきたい。異なる視点のおかげで気付かされることもたくさんありますから」(HUFFPOST 前出)
動物のことを考えて、肉と乳製品を食べないが、ヴィーガンじゃないとダメとは思わないし、食肉自体も悪いことではないと考えている。モラルや倫理は時代によって移り変わっていく。白か黒かではない「グレーゾーンの世界」に生きているから問題解決は容易ではない(ciiron TOKYO 前出)。だからこそ「知る」ことが大事だと二階堂は言う。
