そんな前田のAKB在籍中で唯一のスキャンダルらしいスキャンダルは、19歳の時。ドラマ『太陽と海の教室』(08年)で共演した3歳上の山本裕典との熱愛報道が流れた。前田の19歳の誕生日会の後、山本の自宅に泊まったことをスクープされたが、AKBの顔だった前田に恋愛など言語道断。秋元康の勅命で強制的に別れさせられ、山本はその後もしばらく恨み言を周囲に漏らしていたという。

 前田は21歳でAKBを卒業すると、女優としての活動を本格的に開始。卒業直前から『もし高校野球の女性マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(11年)を筆頭に多数の映画に出演するなど女優志望で、秋元に「演技がしたい」と常々漏らしていたというから、女優コースは本人の念願がかなった形となる。

 卒業直後の約3カ月で約120本もの映画を観るなどその熱量は高く、ミュージカル映画のマイベストとしてジーン・ケリー主演の『雨に唄えば』(52年)をあげている。

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“女優キラー”を相手に濃厚なキスやベッドシーンを披露

 アイドル出身ながら役者としては役に“染まる”タイプのようで、『クロユリ団地』(13年)でホラー映画初主演した際には、「ホラー映画ってリアルではないじゃないですか。だから監督さんについていけば間違いないと思ったので身を委ねましたね」と話している。

「毒島ゆり子のせきらら日記」

 その言葉どおり、監督や共演相手に身を委ねてセクシーシーンにも果敢に挑戦している。

 特に24歳で出演した『毒島ゆり子のせきらら日記』では、女優キラーの異名を取っていた新井浩文を相手に濃厚なキスやベッドシーンを披露。露出こそ控えめだが、表情は真に迫っていた。