ファッションの発信を続ける意味
後藤 自分が周りの人と違うことは小さい時からわかっていたし、嫌な目に遭ったこともありますけど、だからといって、「皆と同じように大きくなりたい」と思ったことはなくて。
むしろ、「小さく生まれた自分にしかできないことがあるんじゃないか」と思ってましたし、同じような障害を持つ人の希望になれたらいいな、とポジティブに考えていて。大人になってからファッションの発信をはじめたことですごく喜ばれたことも励みになりました。やっぱり皆さん、着るものには苦労されているので。
パートナーとの出会いは?
――実は今日は後藤さんのパートナーである幸紀さんも取材に同席してもらっております。今日はありがとうございます。
幸紀さん こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。付き添いのつもりでいたんで、まさか僕も出るとは思わなかった(笑)。
――ご無理を申し上げて恐縮です……。一昨年、後藤さんはお子さんを出産されたばかりということですが、お二人の出会いは?
後藤 私が一時期、洋服のお直し屋さんに勤めてた時があって、その時の先輩が彼だったんです。
――お互いの第一印象は?
幸紀さん ちっちゃい子がいるなって思ってました(笑)。
後藤 それだけ?(笑) その職場はほとんどが女性だったんですけど、彼はその中でめっちゃ溶け込んでいて。とにかく不思議なオーラを放っていたんです。
その頃、私はモデルとして活動しはじめていたんで、服の悩みを彼に相談したら、「僕が直せるよ」って。「あれ、じゃあ一緒にいたら便利じゃん」となりました(笑)。
幸紀さん (笑)。好きなものとか得意なものが似ているのはありましたね。洋服とか絵とか、ね。
――幸紀さんを前にしてお話しづらいかもしれませんが、後藤さんは学生の頃から恋愛を楽しんでいたタイプですか。
後藤 男女関係なく皆でワイワイやってましたけど、恋愛となると奥手でしたね。
やっぱり、自分は恋愛対象として見られていないんじゃないか、という思いはずっとありました。
目の前で「女の子呼ぼうよ」と言われたことも…
――「女」として見られていないような感じがあった?
後藤 男友だちと会ってる時、私がいるのに「女の子呼ぼうよ」って言われたことがあって。「私は女の子じゃないの?」って聞いたら、「ひとちゃんはひとちゃんだから」って。
――マスコット的な存在というか。
後藤 そうだったんでしょうね。悪いことではないんだろうけど、当時はモヤモヤしていたんです。
撮影=松本輝一/文藝春秋
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