先天性の疾患・軟骨無形成症で身長115cmの後藤仁美さん。平均より身長が低く、四肢が短い特徴を持つこの障害は約2万人に1人の確率で発症し、日本国内には約6000人の当事者がいるという。

 後藤さんはその小さな体を活かし、モデルや俳優、さらにはドラマーとして東京2020パラリンピックの閉会式にも登場するなど、活躍の場を広げている。そして一昨年には第1子を出産し、現在は子育てに奔走中だ。

 そんな後藤さんに、学生時代に感じた周囲との“違い”や、現在のパートナー・幸紀さんも交えて、恋愛に悩んだ過去についてなどを聞いた。(全3回中の2回目/続きを読む)

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身長115センチのモデル・後藤仁美さん ©松本輝一/文藝春秋

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ランドセルは大きくて背負えなかった

――今日お召しのお洋服も既製品をお直しされたということでしたが、学生時代の制服はどうされていたんですか。

後藤仁美さん(以下、後藤) 学校指定の業者にお願いして、特注してました。

 指定のカバンもあったんですけど、それも皆のサイズだと大きくて背負えなかったので、ちょっと小さくして作って。でもそうしたら教科書が入らなくなったという(笑)。

――じゃあ「置き勉」して。

後藤 そう、置き勉して。だから家用と学校用で二つ教科書を買ってましたね。

子どもの頃の後藤さん(本人提供)

――前回、障害の特性上、あまり足腰に負担をかけてはいけない、というお話もありましたよね。

後藤 軟骨無形成症の人は、手足とかにしびれや運動障害が出る脊柱管狭窄症になりやすいから気をつけてね、とは言われていて。重いものを持ち上げたり、同じ姿勢を続けたりしないほうがいいみたいです。

――ではランドセルもNGだった?

後藤 そうですね。小学生のときの私には、ランドセルは大きくて背負えませんでした。

 だから大人になってからたまに、ランドセル売り場に行って背負ったりして(笑)。ちょうど1年生くらいの身長なんで。

――軟骨無形成症によって、学校生活の中で困ったこともあったそうですね。

後藤 小学校では、皆より一段低い位置に私専用の手すりをつけてもらったり、トイレや椅子が届かないから踏み台をつけてもらったりと、いろいろと配慮してもらいました。

 それは親が事前に学校側にかけあってくれたおかげで、本当に両親や教員の皆さんには感謝しています。

 ただ、それとは別に自分がずっとモヤモヤしていたのは、「皆に迷惑をかけているんじゃないか」という部分で。