なぜか厄介な乗り換えルート

 駅舎を出てすぐのところに踏切があって、踏切道がそのまま商店街になっている。

 駅前ロータリーのようなものは見当たらず、あるのは松屋や富士そば、マクドナルドにドラッグストア。天下のJRの駅前というよりは、まるで私鉄沿線のような、郊外の駅前風景だ。

 

 ただ違うのは、この駅が乗り換えの駅であるということだ。なのに、駅前の商店街に立ってあたりを見渡しても、乗り換え先の駅が見当たらない。はて、いったいどこに京王稲田堤駅はあるのでしょうか……。

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 などと回りくどいことを言う必要もなかろう。南武線稲田堤駅とその相棒の京王稲田堤駅、このふたつの乗り換え駅は、歩いて5分ばかり離れた場所にあるのだ。

 稲田堤駅から京王稲田堤駅までは、踏切脇の松屋の角の路地を入ってまっすぐ西へ。クルマ1台も通れるかどうかという小さな道を進んでいけば、高架の京王稲田堤駅が見えてくる。

 

 もちろんこの乗り換え道も飲食店がずらりと並ぶ商業ゾーン。ドトールコーヒーにファミレス、居酒屋とひととおりのジャンルが揃っている。やたらとラーメン屋が目立つのは、いかにもザ・ニッポン。

 乗り換え道だけあって、人通りも途切れない。向こうからもこちらからも、電車がそれぞれの駅に着くたびに乗り換えのお客が行ったり来たり。

 

 途中に飲食店が多いから、ついつい寄り道してしまうこともあるだろう。通勤にこの道を使っていたら、毎日の食事がラーメンかミラノサンドばかりになってしまいそうだ。

 この乗り換え道は、いまの稲田堤のメインストリートを担っている。