異形のトンネル、信じられないほど狭い道、常軌を逸した急カーブ……。
日本各地には、思わず目を疑うような“仰天道路”が点在している。そんな中から、見た目のインパクトや走行のスリルが桁違いな「選りすぐりの道」を集めたのが、『日本の仰天道路』(実業之日本社)だ。
ここでは、その中から特にインパクトのある道を抜粋して紹介する。舞台は群馬県みなかみ町国道291号の「日本一の『酷道』を閉ざす最強の壁」。実際に足を運び、現地を取材することで見えてきた、その驚くべき姿とは――。
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圧倒的岸壁
国道291号のうち、群馬県みなかみ町から新潟県南魚沼市へ至る上越国境・清水峠は、日本の国道で最長の、29kmに渡る自動車交通不能区間であり、実態は登山道および廃道(国内有数の踏破難度を誇る)だ。
東京と新潟を最短で結ぶ重要な地点にあたるが、10kmクラスの超長大トンネルで初めて車道(上越線&関越自動車道)たり得た超難関なのである。
交通の近代化を急いだ明治政府が、ここに史上初の国直轄道路事業として1885年(明治18年)に開通させた「清水国道」は、凶悪な地勢と気候に翻弄されて、わずか数年で廃道化。今なお車道の復旧なきまま客人通さぬ国道となった。
清水峠は、規模からして、歴史からして、日本一有名な「酷道」だが、その群馬県側の自動車が入る末端の「行き止まり感」は言語を絶する。路上に見慣れた全面通行止の柵がある。
その背景は、「魔の山」「死の山」「墓標の山」の異名を持つ「世界の山で最も多い遭難死者数」のギネス記録を持つ谷川岳、一の倉沢の圧倒的岩壁だ。ここは通れぬ道と本能が察する。




