なぜ「初代」ではないモデルを選んだのか
G-SHOCKには長い歴史がある。1983年に初代であるDW-5000Cがデビューし、その後、仕様変更やバリエーション追加を経て、DW-5400へと進化していった。その中から、今回のベースに選んだのは1987年発売のDW-5600Cだ。小島氏は「G-SHOCK nanoのデビューには、初号機と言われる5000系統が最もふさわしいと考えた」と説明するが、なぜ初代モデルではなかったのか。
その理由について、小島氏は「G-SHOCKの原点に立ち返りつつ、新たな門出をアピールしたかった」と話す。どういうことか。
DW-5600Cは、国内で「20バール表記」をした最初のG-SHOCKである。それまで海外専売モデルとして200メートル表記で販売されていたG-SHOCKを、国内表記に変えて出した記念すべきモデルであり、初代の精神を受け継ぐとともに、新しい世界を提案したことから選ばれたという。
DWN-5600-1JRのカラーも、ブラックとイエローは、1987年発売のDW-5600Cを忠実に再現。30年以上前の資料を起こして参考にしつつ、レッドは、G-SHOCKのブランドカラーでもあり、G-SHOCK nanoの先進性を表現する狙いを込めて追加した。
「腕」以外にも時計を着ける可能性を開拓した
2024年以降に続々と市場へ投入した指時計は、カシオに新たな視点をもたらした。例えば、G-SHOCK nanoには「Gマーク」をかたどったディスプレイスタンドを同梱し、時計だけでなく指輪として飾って楽しめるよう、コレクションボックスをイメージしたスペシャルパッケージも用意した。
今回の商品では「今まで時計にあまり興味がなかった方の来店も増えている」と小島氏が語るとおり、アクセサリーやジュエリー感覚で興味を持った客が時計売り場に足を運ぶ流れが生まれている。
また小島氏は「腕以外につける時計は、今後も展開の余地があると考えている」と語る。
実際、DWN-5600-1JRや先行して発売したCRW-001は、ベルト構造を活かせば指以外でもさまざまな場所に装着できる。リュックサックやペンケースのファスナー部分、ペンダントなど、アイデア次第で、時計の新しい着用場所が見つかる可能性がある。
スマホの普及で下火と思われる腕時計市場だが、まだまだひょんなところにチャンスが転がっていそうだ。
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