「腕時計」ならぬ、指輪サイズの「指時計」が人気を博している。

 G-SHOCKなどを手掛けるカシオ計算機(以下、カシオ)が2024年12月、通常モデルの「約10分の1」という極小サイズの時計「CRW-001」を発売するや否や大反響を呼んだ。国内外で品薄状態が続き、2025年10月に新色を発売、同11月にはG-SHOCKブランドの指時計も発売した。

 スマホ全盛の時代に、腕時計よりもさらにニッチに見える指時計を、カシオはなぜ開発したのか。時計事業部商品企画部の小島一泰氏に話を聞いた。

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カシオの小島一泰氏(写真=同社提供、以下同)

 指時計の歴史は、いまから四半世紀ほど前にさかのぼる。同社は1990年代後半、一大ブームとなったG-SHOCKの限定モデルを続々と発売。コレクターが増える中、社内のデザイナーの間では、こんな会話が交わされていた。

「ミニチュアのG-SHOCKを並べたら、コレクターの人が喜んでくれるのでは」「確かに、机の上に並べて眺めてみたい!」

 しかし、当時はアイデアに技術が追い付いていなかった。具体的には、極小サイズで時計を動かすモジュール(時計の心臓部となる駆動機構と電子回路)が実現できず、いつしか構想も忘れられていった。

 長い時間が経過する中で、転機はいきなり訪れた。2023年3月に、カシオの人気モデルを指輪サイズに縮小したカプセルトイ「CASIOウオッチリングコレクション」(5種、各400円)が登場したのだ。

 

 カシオが主体となった商品ではなく、立場はあくまで「監修」。商品自体も時計として動くわけではなかったが、SNSで「かわいい」「全種類集めたい」と話題を呼んだ。カプセルトイの平均を大きく上回る売れ行きを記録したという。