カシオ計算機(以下、カシオ)は2025年11月「G-SHOCK nano」として「DWN-5600」を発売した。1987年発売の名機「DW-5600」をベースに指輪サイズへと縮小、極小ながら20気圧防水も耐衝撃構造も備えたまごうことなきG-SHOCKだ。
カシオは2024年12月に、同じく指輪サイズのリングウォッチ「CRW-001」を発売すると、腕時計ならぬ「指時計」として大反響を呼んだ。これまで腕時計を購入しなかった層へのアプローチにも成功し、時計の新たな可能性を切り開いている。時計事業部商品企画部の小島一泰氏に、前代未聞である指輪サイズのG-SHOCKが登場した舞台裏を聞いた。
G-SHOCKは40年以上にわたり進化を続けてきた。全面発光、ソーラー化、電波受信機能など、技術の革新とともに成長してきたブランドといえる。2000年以降は外装も進化し、樹脂から金属、さらにカーボンなど、時代に合わせたルックスを取り入れている。
一方で、変えなかったこともある。それが1983年にデビューした「5000系」の四角いフォルムだ。この初代モデルの形状は「立体商標」に登録されており、G-SHOCKのブランドを象徴する存在となっている。小島氏は「このモデルを継承していきながら、素材や中身を進化させている」と説明する。
新しい層に響くモデルを生み出しながら、G-SHOCKの根幹となるものを守る。この両輪のブランディングを心がけてきた中で、近年は課題にも直面している。40年を超えるブランドとして、ファン層が40~50代と高齢化を見せつつある。今後の展開を考える上では、若年層へのアプローチが求められていた。
小島氏は「若者向けのG-SHOCKも定期的に販売しているが、G-SHOCK nanoは誰が見ても、これまでと違う。だけどG-SHOCKであることに間違いない、というところを狙った」と語る。
