どんな層に売れたのか

 2024年12月にフルメタルの筐体に超小型モジュールを搭載したリングウォッチとして発売したCRW-001は、価格が1万9800円。カシオの定番モデル「カシオコレクション」の機能をほぼ踏襲しており、6桁のデジタル表示で時刻、カレンダー、デュアルタイム、ストップウォッチなどに対応している。LEDバックライトを搭載し、左下のボタンでモードを切り替え、左上で設定を変更、右下でライトが点灯するなど、操作感は通常の時計と同じだ。

「本家」さながらの機能を搭載した

 見た目にも機能にも工夫を重ね、50周年というメモリアルイヤーに投入した肝いりの商品への反響は、想定を超えるものだった。

 当初、指輪型の時計が市場に受け入れられるのか社内でも確信がなく「本当に売れるのか」という声もあったという。そこで本格展開の可能性を探る意味も込め、数量限定で販売を予定していたところ、混乱を呼びかねないと抽選販売に切り替える事態に。

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指輪のようなパッケージにもこだわったという

 購買層も、これまでの腕時計とは異なる傾向が見られた。カシオの時計を長く愛用する40~50代のユーザーがコレクションとして購入する一方で、若い世代がアクセサリー感覚で手に取り、購入者層は各年代にまんべんなく分布したという。小島氏によると、今まで時計にあまり興味がなかった人が「実物を見てみたい」「指につけてみたい」と店舗に足を運び購入するケースも目立ったようだ。

 特に20代後半から30代の若年層に広がったことは、カシオにとって大きな意味を持つ。1990年代のG-SHOCK第1次ブームを経験した根強いファンは、いまや40~50代へと移行している。こうしたユーザーの高齢化は長年の課題であり、若年層へのアプローチが求められる中、今回のプロジェクトがファン層拡大の一手となった。